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Who rules Iran?


e0026645_345396.jpg今年はイラン革命(1979)30周年、ということでイラン関係のイベントが多い。(イランファンとしては嬉しい限りだ)
大英博物館でも今月14日まで「Shah 'Abbas」の特別展が開設されており、今日は公開パネルディスカッションが行われた。イランに関したイベントで、日時があい、学生£3だったのでふらっと行ってみたらパネラーの一人は今年のエッセイのSupervisorのArshin Adib-Moghaddam教授だった!!更に、去年専攻した中東政治での文献でも何度も見かけ、イランについてのエッセイでも何度も引用させてもらったErvand Abrahamian教授がNYからいらしていた!!(感動的)更に、客席にはエジプトに関してのエッセイでSupervisorをしてくれた教授がいらしていた。(他パネラーはヨーク大学Baroness Haleh Afshar教授やLondon Middle East InstituteからZiba Mir-Hosseini氏)

Who rules Iran?というミステリアスなタイトルで開催されたこのディスカッションでは主に、間近にせまったイランの選挙戦の話題を中心に展開された。その大元には統治者と大衆の関係はどうなっているかという問がある。革命後のイスラム国家としてのイランはTheocracy(神権政治)とDemocracy(民主政治)が合わさった政治システムを導入している。一見相対した要素は更に公共(Formal)の場だけでなく日々の生活で人々が参加する非公共の場で実行され、変化し、発展していく。今回の選挙の一番の争点は?という質問にZiba氏はどの候補者も「変化、改革」を求めていると思うという。政治に関わる聖職者の中に全面的にイスラム化しなければいけないと説く人はもうほとんどいない。それはこの30年間でイスラムと民主主義を組み合わせた独自のシステムの中で起こり得た変化である。しかし、宗教と政治の関係を見るとき、Abrahamian教授はイランの選挙モデルが、アメリカのそれと投票者の25%が西洋でいういわゆるファンダメンタリストである点で、共通点があると語る。神の存在を否定するだけで25%の票を失ってしまう、しかし25%以上の票を得なければもちろん政権を取ることができない、ということから、候補者や党は宗教的であるということを肯定しながらも多くの有権者にアピールするための政策を考える。

イランの外交政策や核開発については国際的注目が集まるが、イランの外交政策が国際情勢をよく反映しているということも忘れてはいけない。Ziba氏が「もしブッシュ政権がイランを悪の枢軸国と決め付けなければ今のアフマディネジャド氏は誕生しなかったかもしれない」と言っていたのが印象的だった。ちなみにこれは彼女の意見ではないが中にはアフマディネジャド大統領の方が聖職者を近くに置いていて説得しやすいという点で、他の候補者よりもアメリカとの対話を進められるのではないか、という見方もあるらしい。Adib-Moghaddam教授は安全保障の問題を示唆した。不安定なイラクやアフガニスタンの政権やタリバンやテロの問題はイランが地域に安全をもたらしたいという欲求により繋がる。そういった意味ではより合理的な政策がとられると推測してよいのかもしれない。

外交に付け加え、イランの立ち居地を考える際、問題になるのがアイデンティティーである。Adib-Moghaddam教授が言うように、革命前のイランは西欧寄りで、Indo Europeanとしていて、革命後は西欧よりもイスラムという要素で定義する故アラブに近づいたのではないか。国家としてのアイデンティティーは統治者が外との関係においてどのようなイメージを作り出したいか、という意向に左右されがちだ。(Redefinition of national narrative)(日本の脱亜入欧ポリシーなどもそうだったのでは?)一方Abrahamian教授はここ数十年でどれだけイランというアイデンティティーとイスラムというアイデンティティーが共存し合併されてきたかということに注目する。

あらゆる要素が混在し成立したイスラム国家のイランという国は革命後30年という年月が経ち、混在する要素が紆余曲折を経て日々新しいイランを生み出している。選挙が楽しみだ。
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by congeniality | 2009-06-06 03:05 | Middle East
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