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アメリカ人とイラク人が戦ったと思っていなかった?

先日まで、2003年以降に顕著になったイラクの国家主義の武装勢力と、覚醒評議会によるアメリカとの協力が、目的達成のためにどの手段を選ぶのが最も有効なのかを(合理的に)判断する意思決定のプロセス(Instrumental Rationality)によってどこまで説明できるか、という課題に取り組んでいました。
合理的に判断するだけではなく、部族の中でのルールや、外部から侵攻されたことにより国家主義に拍車がかかったことなどを考えると、ウェーバーが定義した価値的合理性(目的合理性の立場から見ると非合理的といえる)を使ったほうが説得力のある説明ができるのではないか?ということを改めて主張することがこの課題の焦点

しかし、アメリカのイラク侵攻後に一体何が起こったのかという事実関係を把握することだけでも膨大な作業・・・
「武装勢力」と一言にいっても、スンニ派、シーア派、クルド人の利害関係もあるし、定義次第では武装勢力のほぼ大半がイラクのため(つまり「国家主義」)の理論で活動しているのではないか、ということにもなるし・・・
アメリカ側は最初「武装勢力はバアス党などでサダムフセインを支持していた人たちが、イラク国内の軍や政府が解体されて再編されていく過程に不満を覚えて、最後の抵抗をしている(つまり、すぐ彼らの抵抗には終わりが来る)」と軽く見ていた。しかし武装勢力の反乱は悪化。バアス党がイラクを支配していた数十年に構築された社会のネットワークや仕組みをアメリカの政府による決定だけで覆すことはなかなかできなかった。
その計算違いにさらに追い打ちをかけたのが、武装勢力の数の多さとインフォーマルさです。国家主義の統一された運動ではなく、中心がどこにあるのかわからないほどあらゆる武装勢力団体がそれぞれの利害関係の中で闘争をくりひろげました。アメリカの機密情報調査機関ですら、無数の勢力の成り立ちと思想をしっかり解明し把握することができませんでした(それをどうやって学生のレポートで解明せよというのか015.gif・・・)。そしてその中には、スンニ派武装勢力の一部で、覚醒評議会と称してアルカイダと戦うために、米軍から給与と武器の供給などをうけ、米国と協力して戦ったグループもあり、これがのちにイラク社会のさらなる分裂に大きな影響をあたえる。

ニュースで「イラクの武装勢力がどうのこうの」言っているのを聞いているだけでは、
全くと言っていいほど何がおこっているのかつかめない
日本語で詳しく説明しているソースもなかなかみつからない
あげくのはて同じ課題をやっていたクラスメイトのイラン人の友達にも電話してきくが彼女も明確にはわからないというし
定義の仕方によってまったく違った見解が見出されるというし。。。
とりあえず、英語での文献で事実関係の正確さも評価されているというのが以下
(それでも、2006年と2007年に書かれた時期から今日までに、武装勢力はまた形を変えたり、敵、味方を変えたりしているかもしれないので、常に「今日」の事実に基づくかどうかも確認が必要だ)

Allawi, Ali A., 2007, The Occupation of Iraq Winning the war, Losing the Peace, Yale University Press, New Haven and London

Hashim, Ahmed S., 2006, Insurgency and Counter-Insurgency in Iraq, Cornell University Press, Ithaca, New York



(このテーマについては、まだまだ謎だらけなので、質問募集はしません。
逆に、ムクタダサドル師の影響、その後のシーア派、スンニ派の関係、醒評議会の現在についてなど、新しい情報を知っている方がいたら教えていただきたいです。)
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by congeniality | 2009-11-23 01:44 | Middle East
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