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カテゴリ:Middle East( 41 )

イスラム関連3冊

今月から始まる新学期から、中東政治も専攻するのですが・・・学期が始まったら最後、大量の必読文献に押しつぶされそうになりながら、それでもレクチャーは待ってくれず、中東政治を専攻する人たちの半分位がもともと中東のバックグラウンドを持っている人たちで、ある程度の常識は持っていて当然とみなされ、チュートリアルでも分らないところを解決するというよりも、既にそれぞれ意見を持っていて、みんなひとつも躊躇せず自信をもってそれを言い合い、ちゃんと参加できなければ一緒に議論できないなんてつまらない人だとみなされ、数週間後には自分のプレゼンの順番もまわって来て、それに取り掛かっているとまもなく最初のエッセイを書き始める時期になり、それに集中しようとするとアラビア語がおろそかになり、一度分らなくなると解決するまでにかなり時間を要し、アラビア語のチュートリアルに行くのも億劫になり、一回休んでしまったら宿題がたまり・・・・・・・・・ということが目に見えているので(ここまで言うのは先を読む力が優れているのではなく、1年生があっての2年生だからである・・・)、まずは日本語で少しでも多く知っておこう、ということで以下3冊



大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」
池上彰
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池上彰さんはやっぱりすごい・・・
難しい出来事を分り易い言葉で説明できることが実は一番難しいような気がするのに、
この本では本当にわかりやすく説明されている
ただし、歴史よりは、宗教に関する記述の方が多いので、細かな分析というよりは
大まかな把握ができる、内容。


イスラームの世界地図
21世紀研究会編
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原理主義も、ある意味では貧困層を救おうとする民主的要素があること
一度座に就くと独裁的、長期政権になりやすい性格があること
イスラーム法学者の決定権が上位にあること、などなどイスラーム圏の政治の特徴がよくわかる内容
サウジアラビアなどで、ポケモンカードがギャンブルとみなされること、また進化論を認めてはならないことから禁止されたという例は面白い
また先日NHKでも取り上げられていた無利子金融は、汗水たらさない労働で儲けてはいけないというイスラームの教えから生まれた方式 


中学生でもわかるアラブ史教科書
日本人のための中東世界入門
イザヤ・ベンダサン 山本七平
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前半の‘イザヤ・ベンダサン 山本七平訳‘、の章は日本人のアラブ史理解に対してあまりにも悲観的にかかれていて、つっかかるところが多いし、イスラエルの「難民」の数に対してももめるところがあるようだ
後半の‘山本七平‘自身が書いているとされる章は前半よりもつっかかりが少なく読めた気がする

これこそ、ちょうど先日モーゼの十戒を見て感じた重さに通じるところ
現代と過去が絶対切り離せない理由が、以下のように表現されていたので引用します
「歴史の流れ」・・・この言葉は、北ベトナム軍のサイゴン攻略のとき新聞の大合唱となった言葉だが、われわれにとって歴史とは、帰らぬ過去へと流れ、忘却の淵に消えてしまうものなのであろう。だが「正典の民」にとっては、コーランもトーラーも決して過去のものでなく、それは永遠のものであるがゆえに、現在のものなのである。「イスラム教徒は、コーランと今来た新聞とを同じように読む」…


またSOASでいつも叩き込まれていること
反世界についての記述もあったので以下に引用
いわば現代の政治学も経済学も社会学も、またそれを基とした常識や通念も、「封建制経過の国々」にだけ通用し、これが通用する国々を「世界」と考えるなら、東南アジアは「反世界」ともいうべき存在になると同氏(矢野暢)は指摘されるが、この「反世界」という規定は中東にもあてはまる。


レバノンに関する記述を読んでいて思い出したのは
レバノンのIdentityについて以前レバノン出身の友達が教えてくれたビデオ
必見
国があって、その中で個人の宗教の自由が認められる国家とは違って、
宗教があって、国ができた、というところに
レバノンのように「宗教・宗派の比例代表制に基づいて国会議員を選出する」制度なども生まれてくるわけだ 


いろいろと物議を醸した本のようですが、はじめから日本的常識が通用しないところに日本的常識というフィルターを通して見ても、何も論じられないよ、という教訓がよくわかる
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by congeniality | 2007-09-08 15:29 | Middle East
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