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狐と狸と大統領:ロシアを見る目

By小林和男

ロシアの中からロシアを見つめる視点は日本の報道で一方的に受けるロシアの「暗い」「脅威」といったイメージを考え直すのに役立つ
著者が何度も繰り返して書いていたように日本でうける報道の中からは'プーチンの支持率がなぜそんなに高いのか'という実情が掴めず、独裁、共産主義への逆戻り、という印象ばかり与えられてしまうが、国民が求めているものを内部からよく見れば高い支持率の理由も分かってくる
つい最近も報道ステーションで連続爆破事件はチェチェンに対する対テロ政策を強化するための政府のでっちあげ!?ジャーナリスト、スパイ殺害事件にも政府が関与!?などについて検証していたけれど、その中のインタビューにも「何もかも政府の仕業だ」と言い切る人と「政府のおかげで国力がどれだけ向上して生活がどれだけ良くなったか」を主張する意見があった
冷戦時代にはアメリカと張り合った大国ロシアが共産主義体制の崩壊から時間のたった今
確実に力をつけていてEU、中国との関係も強化されている
日本が中国・ロシア・アメリカの間にうもれて存在感を薄めないように日本の外交力を上げることを考えるためにもとても参考になる本だと思う


気になった点メモ
◆プーチン大統領は強い国家を目指しているとよく言われる
強い国家とは何だろう。その疑問に答える言葉が「敬意」である。

◆ロシアは事件は事件、実務は実務と割り切っているのだ。

◆国家間の好悪の感情はどこにも存在する
しかし情緒的な障害も強力な政治の意思とリーダーシップがあれば、乗り越えることができる
(2005年 中国、ロシアの合同軍事演習、両国の力をあわせると人口では世界の20%強、国土の広さは1位のロシアと4位の中国で合わせて日本の70倍)

◆ロシア正教が生き返ってから、ローマ法王庁は熱心に法王のロシア訪問を働きかけ続けた・・・昨年にはヴァチカンが保管していたロシアの貴重なイコンをロシアに返すことまでやった(2005)

by congeniality | 2008-07-26 18:38 | Review
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