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Cairo Central Station (1958) [Bab el hadid]

by Youssef Chahine, Egypt
imdbでも結構評価が高い
http://uk.imdb.com/title/tt0051390/
BBCレビューでもhttp://uk.imdb.com/title/tt0051390/

エジプトでみた三級コメディーを除けば
Rotanaが製作したKeifAlHalに続いてちゃんとしたアラビア語映画を見るのは2作目
エジプトで作られた白黒の映画
7人の侍より少し後だけど50年代なので相当古い作品
なのにぱっとみてクオリティは思っていたよりも高いし(というか
きっと今現在のアラブ映画のクオリティ(あくまでもエフェクトの技術という意味で)が
欧米のものとくらべるとそれほどではないから、あまりギャップを感じなかった)
一番びっくりするのはあまりにもスカーフをかぶった女性が少ないから
逆に今のイスラムが強調されているアラブ諸国よりも新しく見えたのが不思議だった
というのはきっと、私の中でも自然とLiberaliseされた社会=Headスカーフを使用しなくなる=進んだ社会 という固定観念が拭えないからだと思う
西洋が築いてきた発展や進歩の定義がここまで一人ひとりの先入観に影響していると思うと怖いくらいだ

映画自体はといえば、ストーリーや展開はそんなに目新しいものではなかったけれど
それは今あまりにも多くの映画が後にできたからであってこの当時はとても革新的だったのではないかと思う
BBCのレビューにはそれが後のヒッチコックを思わせるとも書いてある
アラビア語はエジプシャンアラビックなのでなかなか聞き取れなかった
(ちょうど今アルジャジーラニュースを見ているけれど、エジプシャンアラビックと違ってスタンダードだと一語一語がはっきり聞こえるのに驚く)

カイロのセントラル駅で働く人たちの物語だが
今でもエジプトに物売りはたくさんいるし貧富の差も大きい
なので決してただ古い映画というだけではなく今の社会の様子を掴むのにも役立つ
(それは日本の昔の映画をみて、だいぶ今の生活習慣とは違っていても
人と人との接し方とか社会の作られ方とかはたかが50年でそう簡単に変わるものではないのと同じで、文化の原点(原点というには新しすぎるけど)を見るのはとても有益だった)

アラビア圏の文化は日本とまったく違うけれど
「西洋ではない」という部分では日本と共通点があって
それがいつも面白い
by congeniality | 2008-10-13 22:21 | Middle East
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